優れた日本のおもてなしは、小うるさい日本人の客が望んだ事である。

日本の接客サービス、いわゆる『おもてなし』は世界的に素晴らしいと言われている。しかしながら、日本人は日常的に接客に感動する事は滅多にない。日本では昔から「人の良し悪し」でその店を語り、再び足を運ぶための動機としている。昨今のビジネスシーンにおいてはマニュアル人間を育て過ぎて、「人の良し悪し」が語られる様な会社や店作りをしていないため、商品・商圏は良くても多くのリピーターを逃している状況が見受けられる。ここでは、客が離れる日常的な瞬間を切り取って紹介します。

職業イメージにあった接客サービス。お寿司屋さんの職人対応。

お寿司屋さんでの話。

「へいらっしゃい!2名様カウンター!!」

基本的にはこういった掛け声が定番となっているが、中にはこの大声での接客は嫌いな人もいる。

お寿司屋さんに限らず居酒屋なんかでもそう。

しかし、この寿司職人さん達の客に対する対応は独特である。

「今日はね、○○良いの入ってるよ!」

客が注文しようと呼ぶと

「今忙しいからちょっと待って!」

少し混んで来ると

「お客さんもう一つずれてくれる!?」

”ひらめ”下さいと客が言えば

「さっきえんがわ食ったでしょ!」

これらはお寿司屋さんに行けば『普通』です。

しかし、やはりこの職人しゃべりと職人対応がどうしても苦手という人がいます。

私からすれば「行かなければ良い」と思うのですが、行きたいけど苦手という究極のワガママさんがいる。(でも決してクレーマーというわけではない)

その人いわく、

「何故江戸っ子でもないのに、そんなべらんめぇ口調で上からしゃべって来るのか?」

「職人だからと言って、人に対して偉そうにしゃべって良いのか?」

「そもそも、料理人ではなくて職人なのか?」

言われれば確かに「敬語」が少ない接客だとは感じる。

 

その職業にあった接客というのはあるが、今で言うところの”タメ口接客”はかなりぎりぎりの所を渡っている気がする。

良いと思う人にはどっぷりはまるが、はまらない人には確かに不快に感じてしまうかもしれない。

職業イメージにあった接客対応をするのであれば、一方的に話すのではなく客の顔色、声色、目線など反応を丁寧に観察すべきである。

 

もしも高級レストランのサーバーの様な口調で

「こちら、中トロでございます。」

「お刺身から行かれますか?それともお握りしても宜しいでしょうか?」

なんていうお寿司屋さんが現れても面白いかもしれない。

ただし風情はないですが…。