優れた日本のおもてなしは、小うるさい日本人の客が望んだ事である。

日本の接客サービス、いわゆる『おもてなし』は世界的に素晴らしいと言われている。しかしながら、日本人は日常的に接客に感動する事は滅多にない。日本では昔から「人の良し悪し」でその店を語り、再び足を運ぶための動機としている。昨今のビジネスシーンにおいてはマニュアル人間を育て過ぎて、「人の良し悪し」が語られる様な会社や店作りをしていないため、商品・商圏は良くても多くのリピーターを逃している状況が見受けられる。ここでは、客が離れる日常的な瞬間を切り取って紹介します。

席を選ばない者と選ぶ者。

 

私は日常周囲を見回していると気付く事がある。

 
例えば飲食店のとある客。
 
店員に通された場所は、隣のテーブルにお客がいてその真横のテーブル。
 
もし私なら「うわ、隣が近くて嫌だな。」と思う。
 
もちろん、お店が人気でそこしか入れなくて仕方ない場合というのもあるだろうが、そうじゃない。
 
お店としては効率的に回したいから「こちらの席で」という事がある。
※個人的にはこう言うお店はあまり行きたくないが。
 
そんな時、席をチェンジする旨を願い出るものと、そうでないものとには、対人のビジネスを行う事に差が出る。
 
おそらく、他の客の隣に通されて「喜ぶ」という人はいないだろうが、何も感じない人もいるだろう。
 
私はこう言う人を見るといつもこう思う。
 
「何も感じないんだな。バカみたいだな。」
 
そしてこの何も感じない者は自分が施しをする側に回っても、同じことをしてしまう。
 
いつも言う様に接客と言うのは、良い印象を持たせる以上に悪い印象を与えない様にしなければならない。
 
だから、この何も感じないハッピー人間は、不幸にも感じてしまう者の気持ちは分からない。
※全員がこのハッピー人間なら、世の中本当にハッピーなのだが、クレームとは多種多様である。
 
そしてそれは一つの不快ポイントとなり、リピーターに繋がらない。
 
そしてもう一つのパターンは、不快に思っても言えなくて我慢してしまうタイプ。
 
これもダメ。
 
ちゃんと自分で選択する事を一瞬で出来ない人は、ビジネスするには向いていない。
 
その「時」を逃すと一瞬で多くのものが流れて行ってしまうと言うのがこの世の中。
 
いずれにしても、店員に言われるがままに席に着いている様では、自分で取捨選択する能力は低く、ビジネスなんてうまくいくはずがない。