優れた日本のおもてなしは、小うるさい日本人の客が望んだ事である。

日本の接客サービス、いわゆる『おもてなし』は世界的に素晴らしいと言われている。しかしながら、日本人は日常的に接客に感動する事は滅多にない。日本では昔から「人の良し悪し」でその店を語り、再び足を運ぶための動機としている。昨今のビジネスシーンにおいてはマニュアル人間を育て過ぎて、「人の良し悪し」が語られる様な会社や店作りをしていないため、商品・商圏は良くても多くのリピーターを逃している状況が見受けられる。ここでは、客が離れる日常的な瞬間を切り取って紹介します。

接客対応のギャップ~スタッフ間でのみ明るい店員~

コンビニでの出来事。

 通常のどんな店舗型の商売においてもいえる事だが、スタッフ間での私語が多くそのテンションが高い場合がある。

 それだけであればまだ良い(マシ?)のであるが、スタッフ間でのテンションと客への対応のテンションが反対の事がある。

客へは笑顔の一つも見せずにレジ打ち、この顔が普通なのかな?と思っていると、少しその場を離れた時に友達感覚のスタッフとヘラヘラ。

「何だ笑えるんだ…。」

人間良くも悪くもギャップと言うのは目立つ。

悪そう見える人が普通の事をしただけで「あいつは良い奴」、大人しそうに見える人が少し悪さをすると「羊の皮を被った狼」の様な。

しかし、このギャップにおいて前者の様な負のイメージから、正のイメージの場合はむしろ人の心をキャッチするが、その逆は明らかに人の心が離れる原因となる。

おおげさな話に感じるかもしれないが、このコンビニでのスタッフの対応はそれである。

この場合のテンションの変化のパターンは、良いテンション(良い接客)と悪いテンション(悪い接客)の二つがあるとすると次の4つに大別される。

①良い→良い

②良い→悪い

③悪い→悪い

④悪い→良い

 

①のパターンはスタッフとして理想。

接客も良くスタッフ関係も良好(本当のところは分からないが)に見える。

もともとの素質の人である場合もあるが、第三者(客)の目を意識出来ているプロ意識の高い人。(アルバイトであっても同様)

②のパターンは、客対応は悪くなくスタッフ関係があまり良くない。

一見すると客対応が良いので問題ないように思えるが、見る人が見た場合にそれが「表裏のある人」と不快に感じる場合もあるかもしれない。

③のパターンは、客対応としては悪いが優しい客は「そういう人か」と流してくれる場合もあるかもしれないが、基本的に×。

④のパターンは一番最悪。

しかしながら、この様な状況は小売店、チェーン系の飲食店において多く見受けられる。

この様な場合でこの店に再び足を運ぶのは、立地と商品のみの力であるため、その近隣に同様の店舗が出店した場合には危ない。

 

上記の様に感覚的ではあるが、人が感じるところから接客サービスは始まるので、学校のお友達感覚の職場にさせない様に注意しなければならないであろう。