優れた日本のおもてなしは、小うるさい日本人の客が望んだ事である。

日本の接客サービス、いわゆる『おもてなし』は世界的に素晴らしいと言われている。しかしながら、日本人は日常的に接客に感動する事は滅多にない。日本では昔から「人の良し悪し」でその店を語り、再び足を運ぶための動機としている。昨今のビジネスシーンにおいてはマニュアル人間を育て過ぎて、「人の良し悪し」が語られる様な会社や店作りをしていないため、商品・商圏は良くても多くのリピーターを逃している状況が見受けられる。ここでは、客が離れる日常的な瞬間を切り取って紹介します。

『こんにちはの接客』は常識力を保ち続けて帰りなさい。

接客とはお店に来店するお客様に対するだけのものの様に考えられがちだが、職業によってはそのお客が様変わりする。

例えば私自身も経営者として多くの業者と取り引きをしているが、その業者にとれば私もしくは私どもの会社が「お客」である。

この場合の接客態度として言うのであれば、お客様の会社へ営業や納品をしに行った時の応対や、直接行かずとも電話での対応が「接客」と言えるだろう。

いわゆる『いらっしゃいませの接客』ではなく『こんにちはの接客』である。

『こんにちはの接客』において重要なのは「常識力を帰るまで保ち続ける事」だと思う。

『こんにちはの接客』は相手の元に訪ねるため、お店での接客の様に多くの人を相手にする必要はなく、さらにおもてなす事が本来の目的ではないため、相手に違和感を持たれなければ大丈夫である。
(もちろん営業において、これから契約を取ることを目指していたりする場合は別。)

相手に違和感を持たれないということは、すなわち常識力が問われる事。

そして細かい感覚的な常識は「年代」によって変わるためそういった事も頭に入れておかなくてはならないだろう。

一例として先日私どもの会社に、既に契約しているタウン情報誌新月号を届けに来た業者さん。(その発行をしている会社の人が直接届けに来て、棚に陳列している。)

おそらく100冊程であろうか、まとめて包装紙にくるまれてビニール紐で結ばれているのを、ガサガサと開いて「ここに置いときますね〜」と棚に乗せた本を見ると濡れている⁉︎

「ちょっと、濡れてふやけているじゃないですか。」

「あ、そうなんですよ!雨に降られちゃいまして〜」

「…。」

信じられない。
もちろん故意では無いとはいえ、それを持って来るために来ているのではないのか?

アメリカの新聞配達の様に家の庭に投げ込む文化があるなら何とも思わないだろうが、残念ながらここは礼節を重んじる日本。
そしてそれが世界的に評価されている。

しかし、私が気になった部分はそこでは無い。

その納入して来た情報誌を包んでいた包装紙を剥がした後、それをその場に置いてあった『ゴミ箱』へぐしゃぐしゃっとまとめて突っ込んだ!

普通は持ち帰る…だろう。

逆に不安になって「普通持ち帰りません?」と聞くと、

「あ、そうですね。ゴミ箱が置いてあったので、つい入れちゃいました!」

「…そのゴミはウチのスタッフが掃除するのですよ。」

「あーあーすみません。」

歳聞いたら何と『50歳』‼︎

若いからとか全く関係なし!
とにかく『常識』を持つべし‼︎
そしてそれを持続して営業先から帰りなさい‼︎