優れた日本のおもてなしは、小うるさい日本人の客が望んだ事である。

日本の接客サービス、いわゆる『おもてなし』は世界的に素晴らしいと言われている。しかしながら、日本人は日常的に接客に感動する事は滅多にない。日本では昔から「人の良し悪し」でその店を語り、再び足を運ぶための動機としている。昨今のビジネスシーンにおいてはマニュアル人間を育て過ぎて、「人の良し悪し」が語られる様な会社や店作りをしていないため、商品・商圏は良くても多くのリピーターを逃している状況が見受けられる。ここでは、客が離れる日常的な瞬間を切り取って紹介します。

会計時に数えやすく並べた小銭を、何も考えずにまとめてしまう愚かな店員。

これまで「接客サービス」とは態度や話し方だけでは無いと述べて来た。
いわば客にどう思われるかが重要であり、客の考えからずれてしまった時に不快感やクレームが生じる。

それがほんの些細な事でも、クレームまでにはならないまでも不快感となってしまう事を、お店や会社のスタッフだけではなく、経営者も知っておかなければならない。

今回はコンビニあるあるの一つによく挙がる、「レジでのお会計」について。

品物を買ってお会計をする際に、例えば1495円なら千円札の上に、百円玉4枚と五十円玉1枚、十円玉4枚、五円玉1枚を店員さんが数えやすい様に、順番に並べておいて置くとー
何と一度「ザーッと」小銭を全部集めて、レジスターの横にある小さい小さいスペースでお金を数え始めるのである。

これは、かなり多くの人が体験している事である。

信じられない事に、わざわざ数えにくい場所に持って行き、一から数えるなど愚の骨頂である。

それ以上に、客が好意で数えやすい様に並べてくれたものを、目の前で「無」にすると言う暴挙が大問題だ。

この行為で注目すべき点は『気付かない事』である。
全ての人がその様な支払い方をする訳ではなく、他の人との変化に何故気づかないのか?

アルバイトだから「これが一生の仕事じゃない」とでも思いながら働いているから何も感じないのか?
しかし、その様な考えのものには一生自分の仕事など見つからないし、決してビジネスチャンスなど掴む事など出来ない。
現に気付く店員もいるわけだから、その時点でその人との差は生まれている。

話はそれたが、この場合はその場で数えて「わかりやすく並べて頂きありがとうございます。」と一言かけるだけで、素晴らしい対応となるであろう。

「やりにくい」「面倒くさい」などはどうでも良い事、これがサービスをすると言うことであり、経営者もスタッフも細かく意識をしなければならない。
それが世界に誇れる「おもてなし」へと繋がるであろう。