優れた日本のおもてなしは、小うるさい日本人の客が望んだ事である。

日本の接客サービス、いわゆる『おもてなし』は世界的に素晴らしいと言われている。しかしながら、日本人は日常的に接客に感動する事は滅多にない。日本では昔から「人の良し悪し」でその店を語り、再び足を運ぶための動機としている。昨今のビジネスシーンにおいてはマニュアル人間を育て過ぎて、「人の良し悪し」が語られる様な会社や店作りをしていないため、商品・商圏は良くても多くのリピーターを逃している状況が見受けられる。ここでは、客が離れる日常的な瞬間を切り取って紹介します。

嘘をついてまで営業をかけても、誰も契約はしない。

あらゆる職業において、人に対する接し方をここではつらつら述べている。

私は多くの会社や病院などの経営者との会話をする機会が多いが、時々耳にするのが「電話営業の質の悪さ」である。

会社には(経営者宛の)多くの営業電話がかかってくる。
その中でもひときわ迷惑がられているのが、「IT関係」(ホームページなどのネット広告の誘い)と「不動産関係」(マンション購入の誘い)だそうだ。

もちろんこれも接客…ではないが、会社の経営者などをお客様としてビジネスをしようとしているのであれば、その客に対するアプローチというのは大切な事である。

まぁこの場合はアプローチというよりは、『大人としての態度』と言う話になってしまうが。


話は戻すが、何故この手の営業電話が迷惑がられているかと言うと、ひとつには「しつこい」と言うことがあるらしい。

例えば、社長が不在または仕事中である旨を伝えると、そこから電話応対したスタッフを相手に、いつ時間が空くかとか、いつ帰って来るかとか、あげ くの果てにはスタッフに説明をし始めて、切らせないように話続けるような事があるそうだ。

そもそもスタッフに説明をする事に何の意味があるのか?
全く持って意味が分からない。

そしてもう一つの理由が、「嘘をつくこと」であるらしい。
嘘をつく?と思ったが、話を聞くと確かにそうであった。

「すみません社長の知り合いの○○会社の~ですが、○○社長いらっしゃいますか?」と言って、電話が掛かって来て、「ん?誰だっけな?」と思い仕事を休めて電話に出ると、「あ、すみません~私○○と申しましてぇ、この度○○さんにとても素晴らしいお話がありましてぇ~」とマンションの勧誘をして来るらしい。

中には「○○社長と以前に連絡を取っておりまして、今日お話をさせて頂く予定なんですが。」とこれまたおお嘘で、電話を変わると勧誘のお話をされるらしい。

中にはかなり一方的に話をしてきて、経営者の方がそのまま電話を放置して、一つの仕事を終えて(約30分くらい)帰って来ても、電話の向こうで喋り続けているものもいたそうな。

もう意味が分からない。

本当に契約を取りたければ、前もってメールをするなり、手紙を書くなり、電話でまずは簡単にご挨拶だけ伝えてもらうなり、faxで自分が何者なのかを明らかにするなり、正々堂々とした方がよほど良いのではないだろうか?

多くの経営者の方が言うのは、「マンションとか買う時は買うよ!」と言う。
そして、「嘘をついてまで電話を繋ごうとする輩とは、絶対に契約などしない。」

恐らく完全に歩合制でやっているのだろうが、その今のお金が必要と言う考えでは、モノは売れないと言うことは肝に命じなければならない。

商売と言うのは、農業や漁業と同じで種まきや餌まきがとても重要で、即座に結果の出るものではないと心得て丁寧に仕事をしなければならない。

このような仕事の仕方に心当りのある場合は、今からでも考え直さなければならない。