優れた日本のおもてなしは、小うるさい日本人の客が望んだ事である。

日本の接客サービス、いわゆる『おもてなし』は世界的に素晴らしいと言われている。しかしながら、日本人は日常的に接客に感動する事は滅多にない。日本では昔から「人の良し悪し」でその店を語り、再び足を運ぶための動機としている。昨今のビジネスシーンにおいてはマニュアル人間を育て過ぎて、「人の良し悪し」が語られる様な会社や店作りをしていないため、商品・商圏は良くても多くのリピーターを逃している状況が見受けられる。ここでは、客が離れる日常的な瞬間を切り取って紹介します。

デリバリーや宅配便のドアの荷物の渡し方には要注意!

一言で「接客」いえども様々な事がある。

決して「話し方」や「笑顔」など、直接客と対峙した反応だけではない。

 

今回はピザ屋さんのデリバリー時における、マンションの玄関先でのある行動についてを述べる。

もちろん、配達員に関する事なので「ピザ屋」だけではなく「運送業(宅配便)」なども当てはまる事である。

 

これから話す事はとても細かい事であるが、よく聞く話であり配達員の無意識な行動であるため気づきにくい「癖」のようなもの、そのためよく注意をしなればいけない行動である。

 

配達員にはピザや荷物を客に玄関先で渡す際に、玄関の中に一歩入って渡す人と、ドアを半開きにして押さえながら渡す人がいる。

客には玄関の中に入って渡される事をとても嫌がる人がいる。

その人たちの多くは玄関はプライベート空間であり、「赤の他人であるものが侵入して来た」という感覚になるらしい。

その逆にドアを半開きにしたまま渡す場合を嫌がる客の意見は、夏場であれば「暑いからしめて欲しい」「虫が入って来る」、冬であれば「寒いからしめて欲しい」、外廊下のマンションにおいて台風の様な風の強い大雨の場合「雨風が入って来るからしめて欲しい」※この場合玄関の中に入って来ても、「ずぶ濡れの雨カッパのまま入って来られると、玄関がびしょびしょになって困る」という意見もある。

半開きのまま手渡しを嫌がる意見のもう一つに、「廊下を通る他の住人に家の中を見られたくない」と言うのがあるらしい。

 

もうこれだけ聞いていると、日本人はどれだけわがままなのかと思うが、これは一言声掛けすれば問題ない。

玄関先に立って「こちらでお渡し致しますか?玄関に入っても宜しいですか?」と、少し丁寧過ぎるかもしれないが、これだけ多くのクレームが付きそうな要素があるのであれば、この声掛けひとつをするかしないかで大分違いがあるはずである。

 

これらの様に配達の際に渡す動作一つでこんなにも多くの意見がある。

また、これは番外編だが玄関先でドアを半開きにして渡す時の配達員の「ドアの押さえ方」への意見もある。

 

あるピザ屋さんが、配達し半開きでドアを押さえながら品物を渡している際に、足の裏でドアを押さえていたそうだ。

腕や腰、尻、ももなどならまだ分かるが、足の裏(くつの)で押さえるのはさすがに失礼である。

人様の家のしかも外側ではなく内側を土足で踏んでいるようなもの。

これは、無意識だろうが細やかな神経の配慮に欠けている一例であろう。

 

しかしながら、配達におけるほんの一瞬を切り取ってみてもこの様に多くの意見が出て来るので、人がどんな事をしたら嫌がるのかを考えなければならない。