優れた日本のおもてなしは、小うるさい日本人の客が望んだ事である。

日本の接客サービス、いわゆる『おもてなし』は世界的に素晴らしいと言われている。しかしながら、日本人は日常的に接客に感動する事は滅多にない。日本では昔から「人の良し悪し」でその店を語り、再び足を運ぶための動機としている。昨今のビジネスシーンにおいてはマニュアル人間を育て過ぎて、「人の良し悪し」が語られる様な会社や店作りをしていないため、商品・商圏は良くても多くのリピーターを逃している状況が見受けられる。ここでは、客が離れる日常的な瞬間を切り取って紹介します。

「今のままで良い」と言うもの達に未来はない。

以前に経営者になるための素質や、独立成り上がり思考の曖昧な理由などについて2回程述べた。

これらは、曖昧な具体的仕事内容の無い「独立志望」や、生まれながらにその素質を持たない人間が成功するための事についてであったが、それらは全て前に進もうとする者に対する言葉である。

しかし最近では、
「独立なんかしたく無い」
「今のままで居られれば良い」

なんて考えの若者達(30代でも多い)が、非常に増えて来ている。

別に悪い考えではない。
冒頭に述べた様に「独立」すると言うことは、具体的な仕事内容が決まっていたり、人間的な素質が備わっていなければ難しい。

ただし、この「独立」よりも最も難しいのは『現状維持』である。

自分の今いるポジション(会社の中だけではなく世間一般的な物差しにおける、総合的•相対的な位置)が、+・±0・ーのどこにあるのかと言うことを考えてみる。

なかなか他人との比較が出来ない場合は、単純に数字として表される年収で比較しても良いかもしれない。
あくまで自分なりのポジション、自分の判断する客観的なポジションでも良い。

例えば「自分の年齢位なら、今は±0位かな~?」と思っているもので、このまま『現状維持』で行けたら良いなと思っているのであれば、それは《無理》!である。

時の流れを短いスパンではなく、5年、10年、20年と考えてみた時に、周りの人の考え方も変われば、周りにいる人達も変わる。

さらには国内•世界の経済状態も刻一刻と変化してくる。

自分だけそのまま変わらずに居られるなんて考えは甘い!

また、自分で商売をしても最初の1年がまず勝負、それを乗り切って5年は伸びる、しかしそのあとが頭打ち、さらにそこを乗り切って10年行ったとしても、またそこから落ちる。

周りの商売をしているお店や会社、また病院などみてもらいたい。

何十年と続いている所がいくつあるだろうか?また、かろうじて続いていたとしてもピークを保っている所があるだろうか?

要するに『現状維持』することが1番難しく、そしてその中でも常にピークを保ち続けており一見すると変化せず『現状維持』している様な所は、常にやり方を変化させ経営努力をしている。

これは勤めている一個人としても同じ事が言え、「独立」などはしなくても良いが、『現状維持』と言って何もしないなんて事はあってはならない。

誰でも会社をクビになる可能性がある、そうならないためにも常に変化し続ける努力が必要であるし、自分の働いている会社がいつ無くなるかも分からない。

その後転職するにしても、変化し続けていなかったものは誰も会社は雇わないし、面接時に一瞬で見抜かれてしまう。

要は「独立」するしないに関係なく、『現状維持』をしたいなら常に自分の現状を変化させて行く努力が必要であり、初めから±0で良いと思っているものは必ずー(マイナス)のポジションに落ち込んでしまうだろう。