優れた日本のおもてなしは、小うるさい日本人の客が望んだ事である。

日本の接客サービス、いわゆる『おもてなし』は世界的に素晴らしいと言われている。しかしながら、日本人は日常的に接客に感動する事は滅多にない。日本では昔から「人の良し悪し」でその店を語り、再び足を運ぶための動機としている。昨今のビジネスシーンにおいてはマニュアル人間を育て過ぎて、「人の良し悪し」が語られる様な会社や店作りをしていないため、商品・商圏は良くても多くのリピーターを逃している状況が見受けられる。ここでは、客が離れる日常的な瞬間を切り取って紹介します。

ガソリンスタンドや飲食店の雑巾(ぞうきん)は衛生的に汚くない?

人をおもてなすという事は、人の力というものが非常に強い。

いろいろ分析をしてみると人に「不快感」を与えないというのが、最低条件の様である。

どんなに素晴らしいおもてなしの『しかけ』を考えて実行していたとしても、スタッフのたった一つの不注意や、気の抜けた行為により無駄になることも少なくはない。

しかし、スタッフが客と接している時だけがポイントというわけではない。

店舗で使用する道具や材料などでも、客は細かく見て判断する事をしている。

今回はガソリンスタンドやラーメン屋の『雑巾(ぞうきん)』についてである。

これは、何も感じない人は感じないが、感じる人〜軽い潔癖の人〜潔癖の人で普段話題には挙がらないが、その場にいると多くの人が気になっている様子が分かる。

例えばガソリンスタンドで車に給油をする際の、スタッフが運転手側に来て

「窓をお拭きして宜しいですか?」

の後に、

「こちらで車内をお拭き下さい。」

と手渡して来る『ぞうきん』、これがみんな気になる!

何かいかにも汚そうな感じで、正直あまり「ギュッと」握りたくないという。

妙に「びちょびちょ」で過去にあらゆる人が触ったであろう雑巾、しかも、レストランの「おしぼり」の様にクリーニング専門業者に、恐らく洗濯委託をしていないと思われるもの。

それを自分の車の中になすりつけるなんざ、とてもじゃないが出来ないらしい。

確かに言われてみればそうかもしれない。

やはり車内と言うのはプライベート空間であるので、そこに用いるものは最低限殺菌消毒や未開封の袋に入れられたものが必要かもしれない。

そして、ラーメン屋さんにおける雑巾は、テーブルに置いてあるものが×。

とある超有名つけ麺屋さんで食事中に、何か匂う…

途中テーブルに跳ねたつけ汁を拭こうと、その雑巾を手に取ると「臭い!」原因はそれだった。

そして、さらに手にその匂いが付いて取れない。

この二例とも決してサービスが悪いわけではない、味が悪いわけでもない。

ただし、濡れた布は細菌が異常繁殖しやすいので衛生的に非常に悪い。

車内を拭けというのであれば、細心のケアが必要であるし、飲食店であれば衛生管理上なおさら注意しなければならない。

お店側にとってはコストはかかるであろうがやるべき事であり、それが世界に誇れる日本のスタンダードではないか。