優れた日本のおもてなしは、小うるさい日本人の客が望んだ事である。

日本の接客サービス、いわゆる『おもてなし』は世界的に素晴らしいと言われている。しかしながら、日本人は日常的に接客に感動する事は滅多にない。日本では昔から「人の良し悪し」でその店を語り、再び足を運ぶための動機としている。昨今のビジネスシーンにおいてはマニュアル人間を育て過ぎて、「人の良し悪し」が語られる様な会社や店作りをしていないため、商品・商圏は良くても多くのリピーターを逃している状況が見受けられる。ここでは、客が離れる日常的な瞬間を切り取って紹介します。

平凡な人間が社長になるには自分のルーツからその素質を知るべし。

前回はいつもと少し変えて、「経営者」になるための心構え、日々の仕事に対しての向かい方などを述べた。

今回はその流れで「経営者になれる素質」を考える。

これは少し厳しい話になるかもしれないが、現実味のある話であるためどんな職業であれ「独立」を考えている人には、注意深く考えてもらいたい。

「独立」するという事は、いわゆる‘社長’になると言う事であるが、よく考えてみると一般的に会社員が社長になることなど、かなり稀である。

良く聞く話じゃないか?と思われるかも知れないが、冷静に考えて世の中で社長と社員の比率は圧倒的に差があるであろう。

要は誰もが誰も‘社長’になれる訳ではなく、‘社長’になれる「素質」を持ったもののみがなれる訳である。

もちろん、その職業のスペシャリストであったり、新たなビジネスのパイオニアであったりする事は重要な武器になることは間違いなしなのだが、人間的な本質の部分で必要な事が存在すると思う。

それは、幼い頃からの性格や過ごし方にある。
ふと思い返してもらいたい。
自分が小学校時代、中学校時代、高校時代にどのような学生生活を送っていたか?
クラスや部活で注目を浴びる様な存在であったか?
1クラスおよそ30~40人、その中で中心的な存在にもなれていないものが、将来他人の注目を集めて人を率いて行けるのだろうか。
もちろん、「足が速い」「容姿が良い」と言うだけの人気ものは、そこに甘んじていれば終わりだ。

逆に昔は「暗かった」「いじめられていた」が、今は人の注目を集めるような人間になった!と言う人のほとんどは、『芸能人』か『スポーツ選手』か『アーティスト』である。

経営者として「独立」するという事とは、全く違う事である。

すなわち、もとから人を周りに集める生まれながらの素質を持っている人間の方が当然のごとく経営者には向いている。

しかし、その素質を持たないものが持つものに勝てる事がある。
それは、真面目な日々の休まない努力である。
全く同じ努力をしたらば、絶対に素質を持つものには勝つことは出来ない。

そのために、根拠のない自信を持って満足しているのではなく、必ず自分がどの様になるのか(誰かの様になりたいでも良い)という目標設定をして、そこを目指すためにどんな努力をして、どの様なルートを通れば良いのかを具体的に考えて実行すべきである。

そして、その道のりを知るためには自分のスタート地点である、「自分は昔クラスや部活で、どの位置にいたのかというのを改めて把握しておく必要がある。」
嫌な過去であったとしても、トップに立つ人間は自分の人生のルーツを語れる人間でなければ、他人からの信頼は得られないであろう。