優れた日本のおもてなしは、小うるさい日本人の客が望んだ事である。

日本の接客サービス、いわゆる『おもてなし』は世界的に素晴らしいと言われている。しかしながら、日本人は日常的に接客に感動する事は滅多にない。日本では昔から「人の良し悪し」でその店を語り、再び足を運ぶための動機としている。昨今のビジネスシーンにおいてはマニュアル人間を育て過ぎて、「人の良し悪し」が語られる様な会社や店作りをしていないため、商品・商圏は良くても多くのリピーターを逃している状況が見受けられる。ここでは、客が離れる日常的な瞬間を切り取って紹介します。

接客で『お得意様感覚』を与えるためには、客の出すサインを素早く察知しろ!

「おもてなし」とは①客への対応の仕方や②待遇を表す「持て成す」にさらに「お」を付けた丁寧語である。

意味を聞けば実に曖昧な言葉であろうと思う。

 

あそこの旅館は「おもてなし」がとても素晴らしい!

意味的に言えば「客対応がとても素晴らしい!」

何が?どんな?

 

人が感じる上でそれは非常に様々である。

具体的にどういった事か?と尋ねても感覚的な答えしか返ってこない場合がある。

具体的な答えを言う人でも「○○なとことか、○○してくれたこととか…」物凄いピンポイントに絞られた答えが返ってくる。しかもごく少ない数の…。

 

実際に聞いた話だと「あそこの旅館は高反発のマットレスを使っていて良かった。」

!?

それだけ?で満足出来るの?

もう少し聞くと「う~ん他にもいろいろ良かった、すごく感じが良かった!」

 

こういったどこかに行った人の話を聞いて、「とにかく良かった!」と聞いているこちらには、全く想像も付かない事は誰しも感じた事があるのではないだろうか。

 

これは、きっと「おもてなし」とは、結局のところ客が言葉にすると出来ない感覚的なものであるという事が言える。

そういった感覚的なものをあえて言葉にして、おもてなす側が理解をしていくという事が必要である。

 

私が今回述べるのはその感覚的なおもてなしにおいて、リピーター、常連客と言うものを呼び込むためのものに必要な『お得意様感覚』である。

 

これは誰でも感じた事のある感覚であるが、あるお店に一度行って「まぁまぁ良かったな」と感じて二回目行った時に、客側には「また来たよ」感がある。

しかし、それに対し「初めまして」の様に接客された時のあの虚しさ。

 

少しでも「あっ、どうも!」と『また来てくれてありがとう』の雰囲気を出してくれるだけでも、客は幸せな気分になれるのに。

しかも、客が他の客を連れて来ているのであれば、その様な『お得意様感覚』を味わってもらえれば、連れてきた客に対してその客の株も上がる。

お店にとっては二回目に行ってるのだから友好的な気持ちで来ている客なので、ハートをがっちり掴むチャンスでもある。

 

しかし、顔を覚えていなければその様な接客は出来ないではないか?

確かにその通り、まずはその客に気付かなければ話にならない。

 

だが、よく観察してみればわかる。

客側は必ずアピールしてるはずだ。

どんな人でも客が店側の人間を認識していれば、お店の作りを知っている素振りをしてみたり。

メニューがどういうものか知っている事を語ってみたり。

「今日は○○ですね~」のように、以前との比較をしてみたりと必ずと言って良い程出している!

 

例えその人見た事がなくても、そこを拾わなければならない。

すなわち、その客の出している空気を素早く察知するかどうかは、あなた次第!…ではなくて、それを言葉として教育するのが具体的な接客「おもてなし」に繋がるであろう。