優れた日本のおもてなしは、小うるさい日本人の客が望んだ事である。

日本の接客サービス、いわゆる『おもてなし』は世界的に素晴らしいと言われている。しかしながら、日本人は日常的に接客に感動する事は滅多にない。日本では昔から「人の良し悪し」でその店を語り、再び足を運ぶための動機としている。昨今のビジネスシーンにおいてはマニュアル人間を育て過ぎて、「人の良し悪し」が語られる様な会社や店作りをしていないため、商品・商圏は良くても多くのリピーターを逃している状況が見受けられる。ここでは、客が離れる日常的な瞬間を切り取って紹介します。

タクシー運転手の空気を読むトークをするための、二つの会話の導入テクニック!

このひとつ前の記事において、タクシーのクレームの多くは「接客対応」と「運転の仕方」にあると書いた。

もちろん、タクシーの運転手側にも「こんな最悪な客がいた」とか、「こんな客は乗せたくない」何て言うことがあるのは重々承知だが、あくまでも日本経済が良くなるためにそれぞれの現場から変えていくと言うのが目的のため、客の良し悪しについてはここでは話題にすることは控える。

話は戻して、タクシーにおけるクレームの「接客対応」のうちで良く聞くものと、細かい実際の話し方のテクニックを出してみたいと思う。

 

「接客対応」で客が運転手に嫌悪感を抱くものの一つに、「空気を読まないトーク」というものがあるらしい。

要は、客が話したくないのにどんどん話しかけて来る事。

こういう人のほとんどが「自分は話し上手」「自分はしゃべる事が仕事です」的な勘違いをしている人が多い。

トークというのは相手との掛け合いなので、相手の反応や温度感などをその都度肌で感じながらしなければ成立しない。

また、あくまで友達と話している訳ではないので、客が知っている内容や興味がありそうな内容をしてサービストークをしなければならない。

そして、その反応を探るために初めに使うのが『日常的同調誘導法』である。

『日常的同調誘導法』とは例えばゲリラ豪雨があった日に「今日の雨は凄かったですね~。」の様に誰もが感じた事を、柔らかく口から発する。

その時に無視されたり、「あ~」とか「そ~っすね…」とかそっけない返事の場合は、客に話す気はないのでそこで終了。

絶対に無理に話をして「楽しませてやろう」とか「盛り上げてやろう」とか勘違いをしてはならない。

ただし、そこで反応が薄かったとしても必ず会話をきちんと終わらせなければならない。

「でも明日は晴れるみたいですね」の様に必ず会話として完結させなければ、最初の同調誘導自体が車内に妙な空気を漂わせてしまう。

そして、この時は無視されてもそこで終わりにする。

逆に「雨凄かったですね~」に対して、「そうですね~、私が○○にいた時に急に降って来て傘がなく~」と積極的に話す人は話したい人ですから、しばらくは問題ありません。

言葉は少ないが「そうですね~!」と明るい反応であれば多少会話に前向きであると判断出来ます。

しかし、客がただ付き合ってくれただけの可能性もありますので、その先に話を進める時には話し方に注意が必要です。

その話を進める際に使用するのが「クローズドクエスチョン」です。

「クローズドクエスチョン」とは、相手がYesかNoかで答える事の出来る質問法です。

例えば、「雨に濡れましたか?」と聞く、客は濡れたか濡れていないかだけを聞かれているのでYesかNoかで答えれば良い。

そしてまた、その時の反応を掴めば良い。

「雨が降っている時どこにいましたか?」などの質問は場所を答えなければならないので、本気で話す気がない人には非常に迷惑である。

もちろん、その先に会話を進めて行く事が大丈夫と感じた場合は、YesかNoかでしか答えられない「クローズドクエスチョン」よりも、具体的な言葉引き出す方法を使用したほうが良い。

 

以上の様に、会話をする際にも「お客様との初めての出逢い」な訳ですから、必ず慎重な導入が必要である。

そのために使用するのが、二段階の会話の導入テクニックである

『日常的同調誘導法』

『クローズドクエスチョン』

の二つである。

 

しかし、途中まで乗っていたのに急に客が冷めてしまうパターンもあるので

十分に観察する事が必要である。

 

これは全ての職業においても適応出来るので、是非その他の職業の方でも実践されたし!